その対策においては多くのことが行政サイドからホームページをつうじて示されているので、【パンデミック-感染爆発から生き残るために-小林照幸 新潮新書刊】の内容と重複していない部分に就いて記す。
厚労省の推計によれば、日本で新型インフルエンザの患者が一人でも発生した場合、人口一億三千万人のうち、二ヶ月間で二十五%にあたる三千二百万人が感染し、最大で二%にあたる六十四万人が死亡する。また、東京在住の日本人一人が、海外で新型インフルエンザに感染して帰国した場合、二週間で沖縄から北海道まで全国に感染が拡大する。パンデミックが起きれば各職域で四十%が欠勤することになる。
通常のインフルエンザウイルスは、呼吸器と腸管のみを冒すのに対して、H5N1型強毒性鳥インフルエンザが変異して人に感染する新型インフルエンザウイルスでは全身感染を引き起こす可能性が高い。
死亡者は、若年層に集中する。これは免疫系が活発であるためにサイトカイン・ストームという現象を発現して多臓器不全の状態になる所以に依る。スペイン風邪の事例を参考にすると、十五歳~三十五歳をピークとして死亡率が高いものと想定できる。なお、現在、パンデミックフェーズは3(1~6まである)の状態にあり、それはパンデミックの警戒初期段階である。
また、某医師会では、会員医師に対してアンケート調査を実施した結果、発熱外来等々への派遣要請等が来た場合に非協力と言い切った医師が過半数を占めた。
パンデミックワクチンは新型インフルエンザのパンデミックやアウトブレイクが発生しない限り誕生しないが、日本では既にプレパンデミックワクチンが存在する。2008年から東京都内の病院医師、空港、港湾職員等々を対象として副作用に就いて治験的な開発が始動しており最終的には、六千四百人に治験的に接種を施す。
以後、問題がなければ、2009年度以降、医療・警察・救急・自衛隊、総理・閣僚・公務員、ライフライン関連業者物流業者の順で接種が始まる。とりあえず、一般国民は後回しになる。プレパンデミックワクチンが現在においてどの程度効くのか判らないが、一応、ブースター効果があると現時点では考えられている。
プレパンデミックワクチンでは新型インフルエンザは防ぎきれない。パンデミックワクチンが開発流通するまでには早くて半年はかかる。
厚労省では、社会機能保持者一千万人分の接種が終わった段階で、次に一般国民への接種の検討を開始する。現在、政府は、パンデミックワクチンの全国民分の備蓄は考えていない。その辺りの事情を国立感染症研究所の研究員の岡●氏(書籍には実名で記載がされている)は次のように述べる。以下、箇条として書き出すと・・・。
・パンデミックワクチンの製造には、実際のウイルスが出現してから生産を開始しても完成まで一年程度の時間がかかり現状、供給人数は公表されておらず具体的生産計画はない。
・プレパンデミックワクチンは、最終的には、三千万人しか生産備蓄しない。
・タミフルは、ウイルスの増殖抑制という観点から初期段階では効果的である。しかし、新型インフルエンザでは通常の三倍量のタミフルの投与が必要となり生産・備蓄をどうするか。またタミフルの投与により、死亡域が高い十代での神経症状様の発作が発現している点にも問題もある。
・国民の七割に免疫ができると新型インフルエンザの流行は終熄する。
・プレパンデミックワクチンを造るのに有精卵二個が必要。一億人分では二億個の有精卵が必要。
・自宅療養が主眼として重症者のみ医療機関で治療をすることになっているが、治療の優先順位や食料の備蓄問題等々において現実的な対策が伴っていない。以上。
以下【パンデミック-感染爆発から生き残るために-小林照幸 新潮新書刊】を読んで、僕が気になったところを抜粋しておく。
・ワクチン接種の副作用としてギランバレー症候群が発生することもある。
・インフルエンザワクチン接種は、予防という意識よりも、副作用を起こす危険なものという意識に変容している。
・副作用・費用対効果の面で全国民分のワクチンの備蓄は疑問視する声もある。
・ワクチンには有効期限があるために大量廃棄となることも大いに考えられる。その都度、大量生産をするのか。
※ 当記事は、【パンデミック-感染爆発から生き残るために-小林照幸 新潮新書刊】という本に記載されている新型インフルエンザに関する部分を抽出してサマリーとして纏めました。なお、記事の性格上、僕自身の意見を反映させていないことを改めて強調しておきます。
例えば、東京都では以下のような発生時マニュアルを策定しているようです。
http://www.chieiken.gr.jp/flu/tokyo-keikaku.pdf#search='東京都%20新型インフルエンザ'