ベントレーというクルマに乗っていた白洲次郎は格好がよかった
【白洲次郎の青春 白洲信哉著 幻冬舎】を読了した。著者は白洲次郎の孫にあたり、次郎のケンブリッジ大学留学時代、イベリア半島のジブラルタルへと旅行した時の行程を追体験する旅という体裁をとっている。
次郎の妻は白洲正子。日本文化の正統な継承者として夙に有名であり、信哉の祖母に相当する。また、小林秀雄は信哉からみると母方の祖父になるなど、信哉を取り巻く血縁は錚々たる面々が揃いに揃っている。
一般に、紀行文から得られる知見は少なく、残念乍らこの本もその幣を免れていない。今般、この本を読もうと思ったのも、白州正子の夫としての白州次郎とは一体、何者なのであろうかという疑問に端を発している。要するに、信哉氏の感慨等々についてはどうでもよいのである。さらにいえば白洲次郎もどうでもよいのである。
寧ろ、白洲正子の夫という点において興味を惹かれたのが原点なのである。が、白洲次郎という威容・偉容の前にして震撼ともいえる感慨をおぼえた。その行動はダイナミックの一言に尽きる。
白洲次郎の歴程については、未読乍ら【白洲次郎占領を背負った男 北 康利著 講談社刊】のほうが詳しいだろうと思えるのでこちらに譲りたい。近々にも読む予定をしており既に入手してある。
【白洲次郎の青春】という本は造本において巧みがある。その装幀は卓抜であり、ついついフラッと買ってしまう蠱惑性もある。それも、幻冬舎の仕事の技巧の為せる業と形容するべきであろうか。
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