本日放送分の週間ブックレビューから読んでみたい本を厳選しました
書 名 異能の画家 伊藤若冲
著 者 狩野博幸 森村泰昌ほか著
出版社 新潮社
本の内容
18世紀。江戸時代中期の京都を舞台に、奇才の画家・若冲(じゃくちゅう)の作品と人生を紹介した一冊です。
裕福な商家に生まれるも、数奇な出会いをきっかけに、独自の画才を開花。まるで現代のデジタルアートにも見える「桝目描き」という画期的な技法を編み出し、また、菊の花びらや龍の鱗を、墨の滲みを利用して表現。さらには、点描画のように御影石の質感を描くなど、伝統絵画にはない、異能ぶりを発揮した若冲。ひとりの画家が、人生の中で「描くこと」をいかに考え、表現として結実していったのか・・・平易な解説と豊富な写真で楽しめる美術案内の書です。
書 名 灯台守の話
著 者 ジャネット・ウィンターソン著、岸本佐知子訳
出版社 白水社
本の内容
舞台はスコットランドの西の果てにある岬町。みなし児となった10歳の少女シルバーは、盲目の灯台守ピューに引き取られ、見習いとして、この老人とともに灯台で暮らし始めます。夜ごと語る灯台守の話に耳を傾けるうちに、100年前この町に生きた牧師バベル・ダークとモリーという女性の物語に惹かれていきます。
「バベル・ダークはどうしてモリーと結婚しなかったの?モリーを疑ったからだ。人間、何があっても愛する相手を疑っちゃならん。でも、相手の人が嘘をついてるのかもしれないよ。関係ないさ。自分が相手に真実でいることだ。どういう意味?他人の真実になることは誰にもできないが、自分は自分の真実でいられるからな。じゃあ、あたしは何て言えばいいの?どんなときにだね?誰かを愛したとき。そのとおりに言えばいい。」(本文より)
揺れ動きながらも成長していく少女を通じて、詩情溢れる言葉が心にしみ入ってくる物語です。
書 名 神田村通信
著者・鹿島茂
出版社 清流出版
本の内容
膨大に増え続ける蔵書。本の置き場所を求めて、ついには仕事場も住まいも神田神保町になってしまった鹿島さん。その事の顛末や神田神保町の住民となって味わった発見、愛して止まないフランスへの思いなど著者特有のユーモアに満ちたエッセイが収められています。
『私は、図々しくも「職業的書評家」と名乗っているが、この「職業」にとって、新刊本の書店を巡回することは、アスリートにとっての筋肉トレーニングやランニングに相当するからである。つまり、常に新刊に目配りする努力を怠ると、書評家としての眼力がガクンと落ちるのである。(中略)「本には、ある種の『匂い』があるんです。この『匂い』は、書店に常に足を運んでいないとかぎ分けられない。だから、書店に行く習慣のない人が、いきなり良い本に巡り合うなんてことは無理ですよ。」』(本文より)
インターネットが普及した今日でも、断固として、本屋で本と向き合う鹿島さん。本の街の住人が発信する本への愛情がいっぱい詰まった一冊です。(三月十六日週間ブックレビュー放送分に典拠)
☆ 紹介されていた本は読んでみたくなるのが常です。が、本に限ってはあくまでもマイペース。気の赴く儘・興味の湧く儘に心を知に遊ばせればそれだけで満足です。
昔、中国で「焚書坑儒」ということが行われていました。思想統制・言論弾圧など最も忌みする行為です。
書名『灯台守の話』に関しては僕の読書傾向から外れています。でも、この本は岸本佐知子(勿論、葉子さんとは別人)さんの訳です。どんな訳文が為されているのか興味をそそられました。
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