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2008年2月 9日 (土)

さだまさしさんの死生観を感じる一曲です

療養所(サナトリウム)

病室を出てゆくというのに
こんなに心が重いとは思わなかった
きっとそれは
雑居病棟のべージュの壁の隅に居た
あのおばあさんが気がかりなせい

たった今飲んだ薬の数さえ
すぐに忘れてしまう彼女は
しかし
夜中に僕の毛布をなおす事だけは
必ず忘れないでくれた

歳と共に誰もが子供に帰ってゆくと
人は云うけれど それは多分嘘だ
思い通りにとべない心と 動かぬ手足
抱きしめて燃え残る夢達

さまざまな人生を抱いた療養所は
やはらかな陽溜りとかなしい静けさの中

病室での話題と云えば
自分の病気の重さと人生の重さ
それから
とるに足らない噂話をあの人は
いつも黙って笑顔で聴くばかり

ふた月もの長い間に
彼女を訪れる人が誰もなかった
それは事実
けれど人を憐れみや同情で
語ればそれは嘘になる

まぎれもなく人生そのものが病室て
僕より先にきっと彼女は出てゆく
幸せ不幸せ それは別にしても
真実は冷ややかに過ぎてゆく

さまざまな人生を抱いた療養所は
やはらかな陽溜りとかなしい静けさの中

たったひとつ僕にも出釆る
ほんのささやかな真実がある
それは
わずか一人だが 彼女への見舞客に
来週からなれること

☆☆☆☆☆

 僕も退院したばかりで少し感傷的になっているのかも知れません。でも、命に誠実なさだまさしさんの唄が好きでたまりません。朱書の部分は、感傷的な箇所も一部ありますが、真実と言えるでしょう。

 入院も辛いけど、退院して残して来た人たちのことを思うと心痛むものがあります。でも、残して来た人たちには、何を、どうしてあげることもできません。

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