明海大学歯学部附属病院で歯科治療を受けた
【7月1日(水曜曜日)第1病日目】。上顎の歯茎に疼痛を感じたため口内炎の病識を得た。
【7月2日(木曜日)第2病日目】。口内炎に伴う腫脹感を強く感じる。
【7月3日(金曜日)第3病日目】。上顎洞付近の頬部が腫大。当日は、暑気払幹事を務めていため歯科の受診ができなかった。帰途、別職員にクルマにて家まで送ってもらう。自宅到着後、右頬部限局性の炎症と腫大を確認しその炎症が瀰漫性であることからフレグモーネと診定した。
【7月4日(土曜日)第4病日目】。重篤な炎症のために顔面が歪み左右の対称性を逸失し口腔内口唇粘膜が露出しドライマウス状態になる。そのため、歯科を受診。経口に依る抗生物質の投与では治癒は望めないため、医科での抗生物質の点滴を受ける。
【7月5日(日曜日)第5病日目】。腫れは退褪せず、さらに重篤性を増し、眼瞼および眉間にまで波及し眼が半分、潰れた状態に至る。再度、医科にて同治療に加え歯茎を切開し排膿した。これによって相当程度の嫌気性菌が死滅するというのだが何故、嫌気性菌に感染したかは不明である。同日、歯科も受診し入院勧告を受ける。指定先の病院は明海大学歯学部附属病院。せめて日大歯学部病院程度にならぬかと懇願したところ、主治医の母校であること、急性期の治療においてベッドの確保が困難であることを理由に強く明海大を奨められる。また、歯科には歯科大の病院が適当であるとした説明を受け、これに不承乍ら納得し紹介状を書いてもらう。
【7月6日(日曜日)第5病日目】。明海大歯学部附属病院へゆく。最寄り駅からタクシーで病院へ向かおうとしたところタクシー・プールもない所なので、城西大学の学生たちに混じって山道を徒歩にて病院に向かう。明海大学は、城西歯科大学が単科大として存立が怪しくなったため明海大学として独立した経緯があり不動産学部等も設置している。
この病院に対するファースト・インプレッション等には惻隠の情を以て触れないことにする。診療の状況に就いては記しておく。準教授程度の歯科医が出て来て、頬部等の顔面を触診しないまま、「眼下膿瘍」という診断名を賦与された。もちろん、「眼窩膿瘍」なら視神経にまで波及する大変な状態である。で、眼下膿瘍。顔面右側において眉間から、下顎部に炎症が拡大しているのに、眼下膿瘍とは解せない診断名であった。状況は、組織間隙を瀰漫性に浸潤する、寧ろ、フレグモーネなのである。
歯科医になって3年目という若いドクターと交替し、点滴下抗生物質治療を開始。ところが、血管の確保ができないのである。ブツと針を血管に刺入しても必ず外す。もちろん、大学病院なので明海大学に限らず、経験値の差からこうした事態は容認できる。しかし、アル綿で、採血部(CRPを診るため) を清拭しないで採血とは一体、どういう教育をしているのだろうと頭を傾げざるをえなかった。もちろん、抗議した。また、当該血管を潰すと、そこに絆創膏を無言で貼り、別の血管に採血針を刺入する。僕は言った。「キミ、この血管、どうしたんだ、ちゃんと説明しなさい」。曰く。「すみません。採血できません」。「それなら一言断っておくのが患者に対する礼儀でしょ」と叱る。アル綿なんて歯科のユニットに常備してあるのが普通ぢゃないのか。あちこちのユニットで歯科医たちがアル綿を持ってきてと看護師(口腔外科では歯科衛生士が歯科医介助をおこなわず、看護師がおこなう由)に指示を出している。
横のユニットをみると、大きなペンチのようなもので女性歯科医が不器用そうに抜歯をおこなっている。大学病院の属性とはいえ患者が不憫である。また、今年度、卒業したばかりと思われる歯科医たちが治療室内に突っ立て所在なさげにしている。この診療室のポリシーも理解に苦しんだ。部屋から部屋に抜ける壁が三角形にくりぬいてあるのだ。動線が適切ではなく、万一、ストレッチャー等を使用する時には、取り回しが悪いだろうなと感じた。もちろん、ユニバーサル・デザインの発想など皆無である。口腔外科では、下顎の腫大等で気管を圧迫した場合、歯科医が気管切開し気道確保をおこなうらしい。これにも驚いた。歯科大学附属病院には、医科の外科を設置していない。耳鼻咽喉科・眼科・内科・精々、脳外科程度で、それは、細菌が眼や鼻、脳に及んだ場合を想定しているからであり、それなりにただしい。しかし、外科の診療科は想定していないのだ。入院という話も出た。しかし、これは一蹴。
結局、抗菌スペクトルの問題だけで医科で点滴をしたほうがナンボかよい。X線検査・MRIの検査も固辞。抗生物質の点滴だけをしてもらい辞去してきた。歯科とはいえ大学病院である。売店もない、食堂もない。しかも、明海大学歯学部に限って言えばホームページも充分ではない。また、舌がん等にも口腔外科からアプローチするのみで腫瘍医や、放射線照射施設のない病院で口腔部・頭頸部付近の治療が満足にできうるものなのかと甚だ心許ない気持ちを抱いて明海大学を辞去してきた。定めし、この病院にかかったために、助かる命を、あたら、散らした人も多いのだろうなと思いつつ。また、僕個人的には、この病院では僕が殺されるとも感じた。さらば、明海大学。
そういえば、自治医科大学において慢性副鼻腔炎の手術をするにあたって、ブリッジが取れたしまった際、再装着をお願いして、結果、重篤には至らぬまでも、フレグモーネを起こす原因を造ったのも明海卒の歯科医であった。
明海大学にはまったく私怨はない。僕が体験し感じたことを素直に書いてみた。この文章を誹謗中傷と受け止めるのではなく患者の客観的意見として関係者には捉えてもらいたい。また、歯科も医科のなかに包括されるような医療機関で受診すべきであると強く感じた。大抵の病院や大学病院には口腔外科がある。今後、僕は、歯科大附属病院には行かない。どうしても行く必要があれば、医と歯が連携している東京医科歯科大や昭和大学などが適当だろうと思う。要するに医科の監督の下に高度な歯科医療を実践している病院を選択する。また、現今において、患者のアメニティの問題も看過できない。私学なら尚更である。


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